こちらは、土蜘蛛の写真館となります。
トンネルを掘る過酷な労働に従事させられる男たちと、女郎屋に閉じ込められる女たち。
閉鎖した空間という、ふたつの世界を交互に描くお話です。
七、土蜘蛛 ―八つ足の檻―
北国。
皮膚は擦れ、爪は割れ、腕も上がらず絶えず空腹が押し寄せる。
石油くさい南京米を喰らい、どうにか飢えを凌ぎ、つるはしを振り下ろし岩を穿つ日々に明け暮れる。
酷く爛れ、痛みと痒みが付き纏う膣に塗る薬もない。
顔や背に傷があれば値打ちが下がるからと、客の取れぬ日は足裏に焼けた火箸を当てられる。
穴ぐらに巣を張った蜘蛛は、虫の来ぬことを知っていたのだろうか。
痩せ衰え、いずれの死を悟って、それでも虫を待ち続けたのだろうか。
そこから、抜け出そうとはしなかったのか。
暗闇しか見つめなくなったこの目には、太陽は眩し過ぎるのだろうか。
『語るな、畜生』
土蜘蛛という妖怪については、チラシに掲載していた文言を貼り付けることで説明になるかと。
『平安時代、朝廷へ楯突いた妖怪。源頼光を暗殺しようとした土蜘蛛が、その正体を見破られ、洞窟へと逃げるも、
頼光率いる四天王に退治される。』
妖怪画としても、題材としても、
比較的比較的有名なお話であり妖怪です。
朝廷や天皇に楯突く民衆の総称、とも言われています。
なので今回のお話も、圧倒的な支配者に閉じ込められた人々の、葛藤奮闘を描いています。
八つ足の檻、という言葉通りに、
北国のトンネル作業に従事する「タコ部屋」と呼ばれる
過酷な労働環境に閉じ込められた男たちの話と、
下賤な女郎屋に売り飛ばされて体を売り続ける女たちの話
の二幕構成になっていました。
そのため、中央の障子部分と2階部分が女性パート。
地面部分(1階)が男性パート、という形で、
舞台利用場所も分かれていました。
全く別々の物語のようで、実は繋がっている物語。
そして、その舞台を囲む八つの柱。
写真では見えないかもしれませんが、よくよく見ると、
蜘蛛の巣が張り巡らされていたりもします。
ここからは本編の写真になります。
PC版で見て頂けると、二軸の物語が、それぞれ縦に並ぶように配置してあります。
あわせて雰囲気を想像して頂けると幸いです。
最後に集合写真。毎回恒例、シリアスなものと楽しいものを。
舞台上と、舞台裏、という感じの表情の違いですね。
ものすごくはっちゃけた写真もあったんですが…さすがに空気が違いすぎたので、ほのぼのショットを採用しました。
そして。
この作品では、鬼の居ぬ間に「初!」トークショーなるものを開催いたしました。
今回の物語の設定「女郎屋」と「タコ部屋」というワードから素敵な作品に巡り合い、
作家の先生にお声掛けしたところ、快く引き受けてくださいました。
その映像を、youtubeの「鬼の居ぬ間に」チャンネルにて配信しております。
ご興味ある方は是非、こちらのページよりご覧ください!概要も記載してあります。
最後までご覧いただきありがとうございました。
少しでも「このお話の中身が気になる!」と思って下さった方は、
是非是非、販売頁をチェックしてみてくださいませ。
DVDと脚本、両方ご用意ございます。
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八回公演の写真館へ進む→(まもなく公開予定)